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2016年8月7日

『ミス・サイゴン』稽古場レポート

2016年10月13日(木)

 開幕を間近に控えたこの日。稽古は帝国劇場で行われ、舞台上にはすでに本番のセットが組まれてありました。客席では多くのスタッフの方々が音響や照明、特効の調整を行っていました。ロビーでも物販などの準備が行われていて、公演が迫ってきていることを感じさせました。稽古開始5分前になるとキャストのみなさんがステージの上へ。思い思いに体動かしてアップをしています。そして演出家のJPと振付家のBenがステージに上がるとみなさんで円陣を組みました。掛け声はもちろん、「ミス・サイゴン!」カンパニーの団結力を感じた瞬間でした。この日の稽古は「バックステージ・ドリームランド」から。まずは地明かりのみで、キャストの通る場所や転換の確認を。『ミス・サイゴン』はセットの転換も多くが人力で行われています。事故のないよう、何度も息を合わせながらセットの転換練習が行われていました。それがひと段落すると1幕の通し稽古へ。衣裳あり照明あり音響あり、本番さながらでの稽古です。客電が落ち、ヘリの轟音が鳴り、オーケストラの音が… いよいよ始まるのだと思わず身震いしてしまう瞬間でした。  

 稽古が始まったころは試行錯誤の連続だったシーンの数々が、舞台上でひとつの作品として完成した様子を観ると、感嘆せずにはいられませんでした。1幕の通し稽古が終わるとJPとBen、演出助手の寺﨑さんによる細かな修正が。作品に対する強いこだわりを持って開幕ぎりぎりまでよりよい作品に仕上げるのだという意志が伝わってきました。きっと開幕した後もブラッシュアップは続くことでしょう。  

 個性豊かで魅力と実力を兼ね備えたキャストの方々、プロフェッショナルのスタッフの方々、広い視野とやさしさを持って作品作りに取り組むJPとBen、寺﨑さん。みなさん仕事の中身は違えど、作品への強い愛と、良い作品を作って多くの方に観ていただきたいという共通の思いを抱きながら『ミス・サイゴン』という作品に臨んでいるのだと感じました。扱うテーマはベトナム戦争と、決して軽いものではありません。自分たちの体験していないことをどう伝えていくのか、なにを見せるのか。この公演に携わる方々が、ベトナム戦争という事柄を学び、深く掘り下げた結果が『ミス・サイゴン』という作品に反映されているのではないでしょうか。

 帝国劇場にて開幕した『ミス・サイゴン』。地方公演は来年1月まで続きます。ベトナム戦争の悲劇と究極の愛を描いた傑作ミュージカル『ミス・サイゴン』。多くの方々にご覧いただければと思います。2ヶ月近く、不定期ではありますが稽古場の様子を拝見し、レポートを続けてきました。拙い文章ではありますが、キャスト・スタッフのみなさんの作品に懸ける思い、稽古場の熱を少しでもお届けできていればうれしく思います。お読みくださった方々、ありがとうございました。(文責:石本)

【公演情報】
『ミス・サイゴン』 
オリジナル・プロダクション製作:キャメロン・マッキントッシュ
作:アラン・ブーブリル クロード=ミッシェル・シェーンベルク
演出:ローレンス・コナー
製作:東宝
〈東京公演〉2016年10月19日(水)~2016年11月23日(水・祝) 帝国劇場
〈岩手公演〉2016年12月10日(土)~2016年12月11日(日) 岩手県民会館 大ホール
〈鹿児島公演〉2016年12月17日(土)~2016年12月18日(日) 鹿児島市民文化ホール(第1)
〈福岡公演〉2016年12月23日(金・祝)~2016年12月25日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
〈大阪公演〉2016年12月30日(金)~2017年1月15日(日) 梅田芸術劇場メインホール
〈名古屋公演〉2017年1月19日(木)~2017年1月22日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール

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