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2016年10月15日

てがみ座『燦々』稽古場レポート

2016年10月12日(水)

 開幕まで残すところ3週間少々となったてがみ座『燦々』。稽古場も固定となり、稽古も以前にも増して濃く、熱のあるものとなってきました。  

 この日の稽古は花組芝居『桐一葉』の公演を終えた加納幸和さんも合流して、台本の最後まで本読みなど。今回葛飾北斎を演じる加納さん。生涯で100回近く引っ越しをしていた、家がゴミ屋敷だった、などと奇人としてのエピソードが絶えない北斎の姿が、まだ本読みの段階であるにも関わらず、浮かび上がって来るようです。役者のみなさんも笑いをこらえきれないシーンがいくつも!とっても素敵な北斎が舞台に現れそうです。北斎宅に居候している絵師、渓斎英泉を演じているのは速水映人さん。腑抜けなようで、でも情があって、素敵な役どころです。速水さんは渓斎英泉の他に、もう一役演じているのですが、別人が演じていると言われても違和感がないほどの切り替えの素晴らしさです。さて、速水さんが演じるもう一つの役はなんでしょう。劇場でお確かめください! てがみ座劇団員の福田温子さんはお栄や北斎が暮らす長屋のおかみ役。お節介焼きだけど憎めない、愛されキャラを演じています。芸者を演じる横山莉枝子さんは表面の華やかさだけではない、内奥のところまで表現しようとされています。実近順次さんはシーボルトのお抱え絵師役。長崎から江戸へやってきたとの設定。実近さんは長崎訛りも巧みに操っています。  

 てがみ座のこれまでの作品と比べ、個性的な役柄が多いような気がしますが、それを役者のみなさんはものともせずに演じています。 読み合わせを聴いているだけでも、「ああ、きっとこんな人江戸にいたな」と思わせてくれる説得力があります。それは長田さんの書くことばと、役者のみなさんが発することばの賜物であるはずです。耳から頭に伝わったコトバが立体となり、情景が浮かび上がってくる―そんな長田さんの、てがみ座の、魅力が詰まった作品になりそうです。もちろん耳だけでも十分に楽しめますが「目」でも楽しめるのが演劇のよさでもあります。見立ての実験は継続して行われていて、扇田さんの試行錯誤が続いています。どのような演出になるのでしょうか。城崎での滞在制作はどのように活かされるのでしょうか。稽古場の壁には舞台装置の案が貼られていて、片隅では衣裳の採寸が行われ… さらには公演グッズの見本も出来上がってきたようで、どんどん公演が近づいてきていることを感じさせます。役者・スタッフみなさん真摯に、ひたむきに稽古に取り組まれています。近頃の寒さなんぞまったく感じさせない、そんな熱気を持った稽古場の様子をこれからもお伝えしていければと思います。観客のみなさま、公演まで期待に胸を膨らませてお待ちください!

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