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2016年10月15日

てがみ座『燦々』稽古場レポート

2016年10月1日(土)

 季節も秋めいてきた10月1日、てがみ座新作公演『燦々』の本格的な稽古が都内稽古場にて始まりました。劇作家・長田育恵が初めて「女性として生きること」を主題として書きおろす今作。『燦々』の主人公は葛飾北斎の娘、お栄。不器用で、絵だけを描いて生きてきた彼女が、北斎や絵師たち、江戸で暮らす市井の人々と関わっていくことで成長していく人間ドラマ。女性として、クリエーターとして彼女自身リンクする部分も多くあるのではないでしょうか。いまの彼女にしか書けない作品、いまの彼女であるからこそ書ける作品となることでしょう。 本稽古初日は顔合わせと台本の読み合わせが行われました。

 この日は早速冒頭から半ばまで通しての読み合わせ。お栄を演じる三浦透子さんは役の持つ不器用さと芯の強さを見事に表現していました。今作が初舞台となる三浦さん。舞台女優としての成長が、お栄の絵師としての成長と重なるのではないでしょうか。男性の客演陣のみなさんは多くがてがみ座の常連の方たちで、読み合わせの時も何気ない間で笑いを取ったりと手慣れた様子。てがみ座初登場の速水映人さんは大衆演劇を中心に活動されていますがなんの違和感もなく作品に溶け込まれていました。  

 てがみ座のみなさんは城崎国際アートセンターでの滞在制作の成果を遺憾なく発揮。しっかりと作品を支えつつ、確かな存在感を放っていました。  

 読み合わせの後は長田さんと演出の扇田拓也さんから作品の意図していることや背景、これからのストーリー展開についてのレクチャーが。膨大な資料を読み込み、それを作品に落とし込んでいく長田さん。作品の中に取り入れていないエピソードもどれも本当に面白く、観客の方々にも聞いていただければどんなにいいだろうと感じたりもしました。扇田さんも演出するにあたって江戸のあれこれを調べているそう。なかでもおすすめは東京・江東区の深川江戸資料館。江戸の暮らしが再現されているそうです。観劇前に訪れればより一層作品が楽しめるかもしれません。  

 こうして動き始めたてがみ座『燦々』。読み合わせだけを拝見しているだけでも期待感が高まってきます。これからストーリーはどこに向かっていくのでしょう。演出が付くとどんな色を孕んでいくのでしょう。城崎でのクリエイションで、演出はできるだけシンプルな方向になることが決まったようです。私たちの五感を刺激し、想像力を奮起させてくれる作品になりそうです。 開幕まで残り1ヶ月ほど。作品の魅力が伝わるように、多くの方に見たいと思っていただけるようレポートさせていただきます。どうぞお付き合いください。(文責:石本)

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