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2018年2月1日

岩松了プロデュースvol.3『三人姉妹はホントにモスクワに行きたがっているのか?』稽古場レポート

1月23日

 岩松了プロデュース『三人姉妹はホントにモスクワに行きたがっているのか?』の稽古場にお邪魔してきました!  

 こちらの企画は、岩松さんの作・演出のもと若い俳優陣で名作古典に挑むというシリーズ。『かもめ』『東海道四谷怪談』に続く第三弾は、チェーホフ『三人姉妹』を原案に『三人姉妹』を上演しようとする若者たちの稽古場風景という劇中劇的な構造の作品です。  

 私が訪問したのは初日を目前に控えた稽古最終日。稽古場内の空気は緊張と高揚で張り詰めていました。休憩中でも体を動かしたり、他の俳優と打ち合わせをしたり。若い俳優と創るというコンセプト通り、私の歳と幾つも変わらない人達が目の前で大きな作品に挑む姿は、同世代として刺激的でした。登場人物の役者としての台詞や他者との関係性に加えて劇中劇『三人姉妹』での役柄もある複雑な構造ですから、やはり一筋縄ではいかないのか同じシーンを何度も繰り返して創りあげていきます。

「もう一度入ってくる所から…」 と声がかかり、元の位置に戻って。岩松さんは褒めも怒りもせず、立ち位置や声のトーン等を少しずつ指示して調整していきます。たまにニヤリとしながら俳優の演技に集中する岩松さんの姿は、若い世代の成長を楽しんでいるように見えました。  

 私が特に印象に残っているのは、「台詞に対しての自負心を持て」「内容に責任を持て」という言葉。これはただこの場のための言葉ではなく、演出家・岩松了として演劇を創る上で大事にしている事なのだろうと感じました。俳優が発する台詞ひとつひとつにどんな意味があるのか、それを口に出すことで相手にどんな影響を与えるのか。そして今回の『三人姉妹はホントにモスクワに行きたがっているのか?』においては、世界中で上演され続けてきた名作を背負っての台詞だということを意識させる言葉だと思います。これらはあくまでも私が感じたことですが、俳優達はどう感じてその後の演技にどう反映させていったのか、とても気になります。  

 私が拝見したのはほんの一部ですが、岩松了さんによる古典作品への斬新な切り口に現代の若者が日々持て余しているエネルギーを注ぎ込む、そんなイメージを持ちました。『三人姉妹』を知っている人ならばとっても興味を惹かれるタイトルと、「(モスクワに)そんなに戻りたきゃ、さっさと戻ればいいじゃないか」というチラシの言葉。その意味がどんな風に盛り込まれているのか、ぜひ全編通して観てみたいです!『三人姉妹』に現代ならではの新しい視点が持てるかも。(文責・中村)

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