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2017年3月16日

劇団四季『リトルマーメイド』劇評

 2016年12月29日、私の地元である愛知の中心部、名古屋に新しくできた「名古屋四季劇場」に足を運びました。  

 劇団四季といえば、今年で64周年を迎える歴史の深い劇団です。昨年12月にディズニーのミュージカルでは6作品目となる『ノートルダムの鐘』が東京の四季劇場〔秋〕で開幕したことでも有名ですね。  

 私は母の影響で幼い頃から頻繁に劇団四季の作品を観劇しています。母音を大切にしながら発せられるセリフやあっと驚くイリュージョン、息のあったダンスや朗々とした歌声から俳優や製作者の演劇への情熱を感じられ、今も大好きな劇団です。また、年間の総公演数は3000回以上(劇団四季HP参照)であるため、1年間を通していつでも観劇を楽しむことができるのも大きな魅力です。最近では劇団の専用劇場がない地域でも積極的に公演を行っているため、初めての舞台鑑賞がこの劇団の公演!という方も多いのではないでしょうか?

 以前名古屋にあった四季専用劇場「新名古屋ミュージカル劇場」は名古屋から東山線に乗り換え、伏見駅まで行きそこからまた歩かなくてはいけなかったのですが、新しくできた名古屋四季劇場はなんと名古屋駅から徒歩10分!以前の四季劇場も素敵な劇場でしたが、乗り換えなく行けるというのは、遠方からのお客様が気軽に観に来やすいという利点に繋がると考えています。            

 今回はサンロードという地下街から地上に出て、劇場へ向かいました。劇場までの道には、ポスターや行き方案内の標識がずらり。初めて行く場所だったためきちんと着けるか不安でしたが、それらの目印のおかげで迷わず行くことができました。  

 劇場の中に入ると、木目調の壁が暖かく出迎えてくれました。観客席の背もたれの部分も同じく木目調であり、劇場全体が温もりが感じられるつくりになっていました。さらに「新名古屋ミュージカル劇場」の収容人数が990人であったのに対し、この劇場は1200人と200人ほど多く観劇できるようになりました。収容人数が増えても観やすさに変わりはなく、座席の増加による圧迫感もありませんでした。    

 今回観劇したのは『リトルマーメイド』。人間の世界に憧れる人魚姫アリエルと航海が大好きな王子様エリックの恋の物語です。ディズニー作品ということもあり、大人だけでなく子どもも多く観に来ていました。

 本作で特に印象的だったのが、アリエルがアースラから足をもらい人間界での生活を謳歌しているシーンの背景です。大型絵本のようになっているページをめくると次のシーンに移り変わるような作りになっていました。これは、アリエルにとって人間界こそが絵本に出てくるような夢のような世界であり、人間界で絵本のページをめくるようにウキウキした気持ちで生活しているいうことを観客に強く印象付ける効果があると考えます。背景が変わるたびに、観客は絵本の新しいページを読み始める時のようにわくわくした気持ちになることができるでしょう。   

 本作の作曲家は『美女と野獣』で初めてディズニー作品をブロードウェーに進出させたアラン・メンケン。『Part of your World(パートオブユアワールド・本作)』『Out there(僕の願い・ノートルダムの鐘)』『A Whole New World (ホールニューワールド・アラジン)』といった、サビのパートで一気に盛り上がる作風が有名です。この手法は、登場人物の想いが一気に溢れ出す様子を的確に観客に伝える効果があると考えています。自らを「ミュージカルの台本作家でもあると認識している」と語っている通り、シーンの構成を重視して作品を作り上げています。この構成がわかりやすいことも、愛され続けている特徴であると言えます。また、本作の舞台化にあたりメンケンは新たにナンバーを追加しています。これらによって、心情の変化やストーリーの理解しやすさが深まっているのです。原作のアニメーションにはない音楽も、元からある音楽と同じくらい親しみやすく、魅力的です。  

 長きに渡り愛され続けている劇団である劇団四季と、永遠の夢の世界であるディズニーのコラボレーション、皆さんもぜひ劇場に足を運びその魅力を実感してきてくださいね!(久留原)

【参照】
劇団四季公式ホームページ
All About インタビュー「作曲家A・メンケンにきく、曲作りの極意」</p>